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個人の方で、確定申告を期限までにできなかった場合は、遅れてでも期限後申告することが大切です。当税理士事務所はそういった無申告の案件にも強いので、お気軽にご連絡くださいませ。
個人事業主として独立した方から、以前に通った大学の学費が必要経費にならないかと聞かれたことがあります。大学で学んだ内容が事業に生きるので、事業に関係性があるので、今から必要経費にしたいということでした。
確かに、大学で学んだ経済学や経営学、その他研究内容などが役に立つことはあるでしょう。
しかしながら、4年制大学を含む総合大学の学費を必要経費とすることはできません。又、奨学金を借りた場合のその元本返済部分や利息部分も必要経費とすることはできないのです。役立つことはあったとしても、税務署としては、業務に直接関連する費用であるとは見てくれないのです。
ちなみに、ご本人ではなく、子供の学費を必要経費にするということもできません。後継者にする予定だから勉強させているとか、そういった理屈も通用しないのです。
一方で、特定の分野を勉強するための学費であれば経費にする余地があります。そのあたりを次に書いていきたいと思います。
学校という括りの中で大学の学費は必要経費にならないと申し上げましたが、業務に必要なスキルを学ぶための費用は経費になる可能性があります。例えば、仕事で外国人を相手にしているので英語を学ぶ必要があるような場合には、英会話スクールの学費を必要経費としても良いでしょう。
又、経理を担当するスタッフに簿記を覚えてもらう必要があるため、簿記の専門学校に通ってもらうような場合も必要経費になります。これは会社の指示に従って簿記を勉強するわけですから、個人が負担すべき金額ということはできないでしょう。
このように特定分野を学ぶためのもので、仕事に直接関連するものであれば認めてもらえるのです。
なお、大学や高校の学費と同じで、自分のところで働いていない子供の英会話代金などは当然必要経費にならないのでご注意ください。事業主の子供や妻の学習にかかった費用が計上されていると、かなり厳しく突っ込まれることになるでしょう。
業務に直接関係ある英会話スクールの学費などは必要経費になると書きましたが、実際に覚えた内容を業務で使用しているかも重要となります。
英会話スクールで英語の実力を上げたとしても、実際にそれが滅多に業務で使われていないようでは、税務調査で否認されてしまう可能性があるのです。例えば、年に一回くらい、たまたまお店に来た外国人と会話するために英会話スクールに通ったような場合ですと、税務調査官としても「実際には個人的に覚えたかったから通ったものなのだろう」と判断されてしまう可能性があるのです。
実際に過去の国税不服審判所の裁決例では、歯科医が英会話の学費を必要経費にしたものの、滅多にそれを生かす機会がなかったということで、経費性を否定されています。業務遂行のためにそこまで必要な物ではないだろうと判断されてしまったということですね。
学んだ内容を業務で使っているという証拠を残しておくと一番良いと言えるでしょう。英会話であれば、少し面倒ではありますが、英語を使用した回数などを記録に残しておくと良いでしょう。
ちなみに、英語の書籍代や簿記の参考書なども必要経費になると言えます。
大学や大学院でお世話になった教授が主催している学会などに所属する方もいらっしゃると思います。当税理士事務所の税理士も、大学院でお世話になった先生方の学会に所属しています。このような学会の参加費や年会費、懇親会費などは問題なく必要経費になると考えられます。
税務に関して学会で学んで、それを実務にフィードバックすることができますので、業務に直接的な関係があると考えられるためです。
もちろん、学会の場合であっても、それを事業で生かしているという前提が必要となるので、全く関係のない学会に出席して必要経費に計上している場合は税務調査で否認されてしまうリスクはあるでしょう。
その他、学会のように所属するものではないけれども、業務のための技術等を学ぶためのセミナー代金は必要経費に計上して問題ありません。
大学院なら専門性が高いことを学ぶのだから必要経費にできる可能性が大学よりは高まるかもしれません。ここは税理士でも意見が多少は分かれるところかもしれませんが、個人的には業務に多少の関係があったとしても、大学院に関しても必要経費に入れるのは中々ハードルが高いと思っています。
大学院では専門分野だけではなく、単位取得のために業務とは直接関係のない授業を受けることもあるためですね。学位を授与されるような学校に対する授業料を必要経費にすると、税務調査ではかなり厳しめに見られるとお考えください。