税理士事務所の仕事の内容は？

税理士事務所(会計事務所)における仕事の内容は多岐に渡ります。これから税理士事務所で働きたいと考えている新人さん向けに、簡単にその業務内容を説明したいと思います。

事務所によってニッチな内容を開拓しているケースもありますが、一般的に、法人の顧問業務、個人の顧問業務、個人や法人の確定申告代行業務、相続税関連業務をメインとする事務所が多いと言えます。

もちろん、組織再編成、M&Aに力を入れていたり、国際税務に注力している事務所もありますし、暗号資産取引の分野に特化してくるような珍しい事務所もありますが、このページでは、上記で述べた一般的な税理士事務所の業務について説明します。

多くの税理士事務所がメインの業務としているのが、法人顧問業務でしょう。

法人顧問先に下記のようなサービスを提供します。

・毎月の試算表の作成（仕訳入力は自社会計してもらうケースと、税理士事務所が記帳代行をするケースがある）

・源泉所得税の納税額の計算と納付書の作成

・年末調整

・給与支払報告書作成

・法定調書作成

・償却資産税申告書作成

・決算書及び確定申告書の作成（法人税、法人地方税、消費税の確定申告書）

・節税などの税務相談や融資などの相談対応

顧問先の社長と密に付き合っていく中で、少しでも有用な情報を提供することで信頼を勝ち取ることが大切です。単発の業務と異なるので、会社の成長に対して中長期的に貢献できるのも魅力と言えます。

税理士事務所の仕事の内容が何かと考えた場合には、まず法人顧問業務を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

個人事業主や個人の不動産オーナーなど、個人の顧問業務も税理士事務所では多く取り扱っています。ただし、一定程度の規模になると法人化することが多いので、個人の場合は規模が小さいケースも多いので、顧問業務ではなく、確定申告の代行のみを依頼される顧客も多いでしょう。

飲食店や美容室など日々の取引量が多い事業主さん、また、売上高が大きな事業主の方は税理士事務所と顧問契約をして、月々の営業成績を把握したいと考える傾向にあります。

法人と異なり、所得税法ならではの論点は多くありますので、所得税法に関してきちんと勉強をしてから担当した方が良いでしょう。税理士試験で所得税法の受験経験がある方などは、その知識を十分に発揮できる業務だと言えます。

月々の税務相談などは不要であるが、決算・確定申告のみを税理士事務所に依頼したいというお客さんもいます。年一決算申告業務とか、決算のみ単発依頼とか、会計事務所によって呼び方は異なるとは思いますが。

この場合の業務は、一年に一度資料をお預かりして、貸借対照表、損益計算書などの財務諸表と確定申告書を作成します。税務アドバイスなどを含まないと、顧問業務と比較してかかる時間は圧倒的に少なくなります。

ただし、確定申告の時期になって一年分の処理を依頼されるので、そのときだけ急激に忙しくなるという特徴があります。決算月が過ぎた後に、できる限り早く資料を収集するのも重要なポイントになるということができるでしょう。

お客さんにとっては、決算と確定申告の代行という事務処理のみを依頼するため、年間の顧問契約よりも価格を安く抑えられるというメリットがあります。

ここでは、税理士事務所で働きたいという方に、当社が考える「税理士事務所の職員に求められる資質」について説明いたします。

・コミュニケーション能力

こちらは絶対的に必要な能力です。コミュニケーションを顧問先ときちんとできないと、誤った解釈で処理を進めてミスするようなことになりかねないためです。あとは、経営者の中には時間もない人も多くいらっしゃいますので、端的に必要なことをお伝えする能力も大切になるのです。税理士事務所の仕事は事務作業ばかりと考えられている方もいらっしゃいますが、実は人と人とのコミュニケーションで成り立っている要素が大きいのです。

・勤勉さ

税法は随時改正されますし、幅広い知識がないとお客さんの質問に答えられないことが多くなるでしょう。そのため、常に勉強する勤勉さは求められます。毎回先輩に質問して問題を解決しているようですと、自分で調べる力もつかないので、きちんと根拠条文などをチェックする姿勢も重要になります。もちろん、新人の頃、最初の1年間などはどんどん質問して先輩に教えてもらいましょう。

・ルーチンの処理をきちんと漏れなく行う能力

税理士事務所の仕事では、ルーチンワークも多いのですが、それを忘れてしまうと大きな事故となります。毎月、どの顧問先については何を行わなくてはならないのか、スケジュール表を事前に作成するなどして、漏れなく処理を行う几帳面さが求められます。

・瞬発力

顧問先のお客さんから急なお願いが来ることもあります。融資のために早めに試算表が必要であるとか、そういったこともあるのです。その際には、瞬発力を持って仕事をこなしていく必要があります。又、そういった際に早く対応することができると、顧客からの信頼も高まるでしょう。